住宅型有料老人ホームの仕事内容や費用、介護付有料老人ホームとの違い
お年とともに心身の機能は低下していきます。
ご自身やご家族がご自宅での生活に不自由を感じ始めたら、考えたいのが有料老人ホームへの入居です。
有料老人ホームには、大きく分けて「住宅型有料老人ホーム」と「介護付き有料老人ホーム」の2種類があります。
今回は住宅型有料老人ホームについて、その特徴や入居するメリット、そして気になる入居費用や月々の利用料金の相場などをお伝えしていきます。
住宅型有料老人ホームとは、自立(介護が不要なお元気な方)から要介護状態の方までの高齢者の方が、生活上の支援を受けながら生活するための施設です。
全国に約5,100件(※1)の施設があります。
主に民間企業が運営しています。
※1:平成25年時点の数値。公益社団法人全国有料老人ホーム協会調べ
(http://www.yurokyo.or.jp/kakodata/investigate/pdf/report_h25_01.pdf)
✔住宅型有料老人ホームは有料老人ホームの形態の一つである
✔全国に5,000件以上の住宅型有料老人ホームがある
✔住宅型有料老人ホームの運営は主に民間企業が行っている
住宅型有料老人ホームは入居条件が比較的緩やかな施設であると言えます。
自立の方から要介護の方まですべての高齢者の方を対象としています。
ただし、介護保険のサービスを利用する場合は、施設からのサービスの提供はないため外部のサービスを利用することになります。
そのため夜間の対応などでは介護付き有料老人ホームよりも制約がある場合もあります。
介護度が重くなってからも継続して入居していられるかどうかは施設の判断しだいとなり、場合によっては退去しなければならないこともあるため注意が必要です。
✔住宅型有料老人ホームは入居の条件が比較的緩やか
✔介護保険のサービスは、施設外の事業者から提供される
✔介護度が重くなった場合には退去しなければならない場合がある
住宅型有料老人ホームは、基本的には日々の生活が自立されている方を対象とした施設です。
そのため、施設内では介護保険のサービスは提供されず、食事の提供と生活サポートが提供されます。
生活サポートとしては、以下の3つのサービスが基本となります。
① 安否確認…常駐するスタッフが訪室やコールなどにより体調の確認を行ってくれます
② 生活相談…生活するうえでの困りごとなどを相談できる体制がとられています
③ 緊急時対応…夜間の急病などの緊急時にも対応できるよう、夜間もスタッフが常駐しています。また医療機関との連携を充実させている施設も多くあります。
施設によっては、介護保険外のサービスとして清掃、洗濯や買い物の代行などをお願いできるところもあります。
これらのサービスはそれぞれに別料金が発生します。
✔住宅型有料老人ホームでは、食事と生活サポートが提供される
✔住宅型有料老人ホームで介護保険のサービスを使う場合は外部の事業者に頼む
✔施設によっては生活を手助けする様々なサービスを提供している
「老人ホームはお金持ちの人しか入れない」とお考えの方もいるかもしれませんが、実はそんなことはありません。
住宅型有料老人ホームも住宅と同じように、立地や間取りによって価格が大きく異なります。
住宅型有料老人ホームの入居にかかるお金は、大きく分けて「入居時の費用」と「月々にかかる費用」です。
都心の一等地などでは、入居時の費用に何千万もかかる施設も確かに存在しますが、入居時0円という施設も多くあるのです。
居室が広く、設備も豪華な高級ホテルのようなものから、民家を改装したアットホームな施設まであります。
ご予算に合わせて探すことのできる時代となっているのです。
入居費用の例①(東京都)
入居時 | 300万円~3,000万円 | |
---|---|---|
月々の費用 | 賃料・管理費 | 約200,000円~750,000円 |
食費 | 約70,000円(30日分) |
入居費用の例②(東京都)
入居時 | 約50万円 | |
---|---|---|
月々の費用 | 賃料・管理費 | 約100,000円 |
食費 | 約50,000円(30日分) |
✔住宅型有料老人ホームの費用は、間取りや立地、設備によって大きく異なる
✔中には高級ホテルと間違うような豪華な施設もある
✔決してお金持ちの人だけのものではなく、手ごろな施設も増えている
住宅型有料老人ホームでは、基本的に自立して日常生活が可能な高齢者の方を入居の対象としています。
一方で、介護付有料老人ホームは、要介護度をお持ちで、日常生活に何らかの介護を必要とされる方を対象としています。
どちらも、条件に当てはまらない方であっても受け入れ可能な場合があり、施設ごとに対応が異なります。
住宅型の場合は介護度が重くなると退去しなければならない場合もあれば、柔軟に対応してもらえる場合もあります。
施設が近隣の医療機関とどの程度連携を取っているかによっても違いが出てくるようです。
住宅型有料老人ホームと介護付有料老人ホームの大きな違いは、食事、入浴、排せつなどの介護や、デイサービスなど介護保険を使って受けるサービスが施設内で提供されるかどうかです。
住宅型では、介護保険のサービスはすべて外部のサービスを利用することとなり、自宅に訪問してもらうのと変わらない利用の仕方となります。
賃料や管理費、食費などには、両者に大きな違いはありません。
住宅型有料老人ホームでは、アクティビティが充実していることも多く、利用する頻度によっては費用がかさむ場合があるかもしれません
一つ注意が必要なのが、介護度が重くなっても継続して入居した場合です。
介護保険のサービスを外部サービスとして利用する場合、介護保険で使える上限金額が決まっています。
上限金額をオーバーした分の費用には保険が使えないため、支払いが高額になる恐れがありますから、注意が必要です。
住宅型有料老人ホームと介護付有料老人ホームの違い
住宅型有料老人ホーム | 介護付有料老人ホーム | |
---|---|---|
入居条件 | 自立~要介護の方(基本的にはお元気な方が対象) | 要支援・要介護の方(基本的に介護が必要な方が対象) |
サービス内容 | 食事の提供、家事、健康管理のいずれか。介護保険サービスは外部事業者を利用する | 介護、食事の提供、家事、健康管理のいずれか |
費用 | 賃料、管理費、食費など。使った分の介護保険サービスの自己負担分。上限をオーバーした分は全額自己負担となる。 | 賃料、管理費、食費など。介護度に応じた介護保険サービス上限金額の自己負担分 |
✔住宅型有料老人ホームは、基本的にあまり介護の必要のない方が対象
✔住宅型有料老人ホームで介護保険のサービスを使う場合は、外部サービスとなる
✔介護保険のサービスには保険がきく上限金額があるため、それを超えると費用が高額になる恐れがある
住宅型有料老人ホームに入居する際のデメリットは、自立またはそれに近い状態の方を主な利用対象としている施設のため、お体の状態の変化に対応できない場合があるということです。
慣れ親しんだ施設であっても、介護度が重くなったら退去を迫られることもあり得ます。
住宅型有料老人ホームを利用するメリットは、費用の負担が少ない点です。
スタッフの配置人数が少ないことから管理費などで割安になります。
また介護付き有料老人ホームでは、介護保険の自己負担分はサービスの利用に関わらず上限金額で請求されますが、住宅型有料老人ホームでは使った分だけを支払うこととなるため、介護の必要が少ない人ほど経済的に利用できます。
また、外部の介護保険サービスを利用することで、デイサービスで定期的な外出の機会を確保するなど、より希望に沿った介護保険サービスを受けることができます。
✔住宅型有料老人ホームの場合、状態が変わると退去しなくてはならない場合がある
✔介護保険のサービスは使った分だけ費用が掛かるため、自立に近いほど負担は少ない
✔外部のサービスが使えるので、デイサービスなどへ出かけていくこともできる
住宅型有料老人ホームへの入居がおすすめの人は、今現在はお元気か、もしくは少しの支援を受けることで日常生活が問題なく送れる方です。
食事や家事などの負担がなくなり、自分の時間を持つことができます。
食事に関しては、わざわざ自分で作ることなく、季節感のあるおいしいメニューが食べられます。
外出も自由にできますので、自宅で過ごすよりも活発に活動的に過ごされる方も多くいらっしゃいます。
他の入居者のみなさんと顔見知りになって、趣味や外出、季節の行事などを楽しむことができます。
安否確認や緊急時の対応がしっかりしていることで、おひとり暮らしも心配ありませんし、ご家族が離れて暮らしている方は、ご家族にも安心してもらえますね。
現時点で常時の介護が必要な場合には、この先どのくらい施設にいられるかが不透明ですので、初めから介護付き有料老人ホームを中心に検討される方がよいでしょう。
住宅型有料老人ホームは、比較的手ごろな料金で利用が可能です。
介護されるまでではないけれど、日常生活に不安や不便をお感じになっている高齢者の方にお勧めです。
最近では、医療機関との連携を強化し、介護度が重度になっても利用し続けられる施設が増えてきています。
しかし、ご病気や認知症などにどの程度まで対応できるのかは施設ごとに異なります。
必ずその点をご確認されてから利用するようにしてください。
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