今すぐできる!認知症予防と自宅でできる早期発見方法とは?
認知症は、発症すると完治できません。
発症前に予防の習慣をつけておくことが、とても重要です。
予防の習慣は、発症のリスクを軽減できるだけでなく、発症後の進行を遅らせる効果も期待できます。
ここでは、まず「認知症についての正しい知識」をご紹介した上で、日常生活でできる予防法、早期発見・予防のために自宅でできるチェック方法などをご紹介します。
認知症の初期症状として顕著なものは、もの忘れです。
人や場所の名前が思い出せないなどの症状で、単なる老化と勘違いされることがあります。
ただ、認知症によるもの忘れは、老化のもの忘れとは異なります。
食事を例に言えば、「さっき何を食べたか?」ではなく「食事したことそのものを忘れた」というように、“体験そのもの”を忘れるという症状が起こります。
ただし、これらは認知症になったすべての人に共通して起こるわけではありません。
発症した認知症の種類や個人の特性によって、起こる症状や程度に違いがあります。
遺伝や環境要因を原因として、Aβタンパクという異常なタンパク質が脳に沈着し、神経細胞の数が減少することで起こる認知症です。
主な症状は、海馬や大脳皮質の萎縮による、記憶障害です。
具体的には、思い出や個人の生活史を思い出せない、新しいことが覚えられない、時間や場所がわからない、といった症状です。
また、失語(言語障害)、失行(運動障害)、失認(認知の障害)なども起こり得ます。
レビー小体と呼ばれる特殊なタンパク質が、脳の大脳皮質や脳幹に集まることで起こる認知症です。
レビー小体が集まりすぎることで、神経細胞が減少・破壊され、神経の伝達が困難になります。
主な症状は、認知障害です。
「部屋に知らない人がいる」など実際にはいない人や動物が見える(幻視)、注意力が散漫になる、物がゆがんで見える、などが起こります。
うつ病、食欲不振、不眠といった症状が現われることもあり、個人の特性や日・時間帯によって症状が異なるため、診断が難しいことも特徴です。
脳卒中(脳梗塞や脳出血など)が原因で発症する認知症です。
脳の血管障害によって酸素や栄養が脳に届かず、神経細胞が破壊されることで起こります。
症状は、異常が起こった箇所や程度によって様々です。
起こり得る症状としては、記憶障害、失語、失行、失認、歩行障害、人格障害、意欲低下、うつ、失禁、などです。
参照http://sodan.e-65.net/basic/ninchisho/
✔︎認知症のもの忘れは”体験そのまま”を忘れる
✔︎認知症の三大種類はアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症がある
認知症は、メタボリックシンドロームや脳血管障害などの生活習慣病との関連も指摘されています。
喫煙、暴飲暴食、過度な飲酒、睡眠不足、といったマイナスの生活習慣は、血液をドロドロにし、酸素や栄養が脳に運ばれる働きを阻害します。
こうした習慣を改めるとともに、ビタミンB群、C、E、ミネラルなどの栄養素を食事から摂取することが重要です。
さらに、「肉ばかり」「野菜ばかり」といった偏食の習慣がある人は、バランスの良い食生活を意識しましょう。
軽いジョギング、ウォーキング、水泳といった運動習慣をつけることが認知症の予防につながります。
ポイントは、体に負荷をかけ過ぎないことです。
軽く息がはずむ程度の運動を、週2〜3回以上かつ1回30分以上行うのが目安です。
参照https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/ninchishou/yobou.html/
認知症患者の増加とともに、近年では様々な認知症を予防・改善するための脳トレが考案されています。
中でも、国立研究開発法人・国立長寿医療研究センターが開発した「コグニサイズ」と呼ばれるトレーニングが注目されています。
体を動かして、筋力の強化や機能維持を図りながら、計算やしりとりなどの認知トレーニングを行うものです。
脳の活動を活発化させる習慣をつけることで、認知症の発症を遅らせる効果が期待できます。
参照https://www.ncgg.go.jp/kenshu/kenshu/27-4.html
脳や血液、神経物質等の働きを衰えさせないためには、「人との交流」が効果的と言われます。
お茶会や趣味を通して他人と会話をするだけでも、脳を刺激する効果があるため、認知症の予防に効果的です。
人とコミュニケーションが取れる場に、積極的に参加する習慣をつけることが大切です。
✔︎認知症予防には生活習慣を改善させ、バランスの良い食生活が大事
✔︎運動習慣を身につけることが認知症の予防につながる
✔︎認知症を予防・改善するための脳トレがオススメ
✔︎人との交流を増やすことは認知症予防に効果的である
現在、認知症を根本的に治療する薬は存在しません。
ただ、症状の進行を遅らせる、または改善させる薬はあります。
もっとも一般的なものが、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬です。
アセチルコリンと呼ばれる、神経を伝達する物質の減少を防ぐことで、認知症の中核症状である記憶障害、失語、失行、失認といった症状の進行を遅らせる効果が期待できます。
主に、アルツハイマー型認知症の中程度までの段階、レヴィー小体型認知症に用いられる薬です。
副作用として、消化器に作用することによる吐き気や下痢、徐脈(脈が遅くなる)、イライラ、興奮などの精神症状が出る場合もあります。
ただし、医師による適切な処方のもとであれば、過度な心配は必要ありません。
参照http://www.wakayama-med.ac.jp/med/dementia/ninchisyou/medicine.html/
参照https://www.neurology-jp.org/guidelinem/degl/sinkei_degl_2010_04.pdf/
参照http://www.wakayama-med.ac.jp/med/dementia/ninchisyou/medicine.html/
認知症の非薬物療法には、種類がいくつかあります。
●回想法
昔の思い出を話してもらい、それに共感・受容することで心理的安定を支える
●音楽療法
自分が好きな音楽やクラシックなどのリラックスできる音楽で、心理的安定やストレス軽減を図る
傾聴、共感、受容などの態度を積極的に示すことで、認知症患者の行動・感情の混乱を抑制し、精神的健康を維持する
自分が誰であるのか、今いる場所はどこか、自分以外の他人(家族)との関係はどうか、など自分と周りの環境を正しく認知し、行動や感情を改善する
これら4つ以外にも、運動療法、芸術療法、ペット療法といった非薬物療法もあります。
参照http://sodan.e-65.net/basic/care/
参照https://www.neurology-jp.org/guidelinem/degl/sinkei_degl_c_2012_04.pdf
✔︎認知症の治療方法には薬物療法と非薬物療法がある
✔︎アセチルコリンエステラーゼ阻害薬は記憶障害の進行を遅らせる効果がある
✔︎非薬物療法には主に回想法、音楽療法、バリデーション療法、リアリティオリエンテーションがある
自分の家族が、「もしかして認知症では?」と疑わしい様子がある場合、まずは自宅で簡単なチェックをしてみましょう。
認知症は、発症すると完治はできませんが、早期発見することで進行を遅らせられる可能性があります。
チェック方法の1つに、公益財団法人・認知症の人と家族の会が公開している、「認知症早期発見の目安」があります。
など6つのカテゴリーで、20のチェック項目があり、該当する数が多いほど認知症の疑いが高いと判断されます。
ぜひ、自宅での早期発見と予防のために活用してください。
【認知症早期発見の目安】
http://www.alzheimer.or.jp/?page_id=2196/
また一般社団法人・認知症予防協会では、WEB上でできる「認知症自己診断テスト」を公開しています。
【認知症自己診断テスト】
診断http://test.ninchishouyobou-k.com/
こちらも、先に紹介したチェック方法と併せて、参考にしてください。
✔︎認知症の疑いは自宅でもチェックできる
✔︎認知症早期発見の目安を利用してチェックできる
✔︎認知症自己診断テストと合わせて診断も可能
認知症を予防するためには、認知症に関する正しい知識が必要です。
先に挙げた4つの予防のポイントとともに、ここで紹介した「認知症と老化の違い」や「認知症の種類(原因)」、「早期発見の方法」、などを事前に知っておくことで、予防の質を相乗的に高めることにつながります。
また、誤った知識を持っているために、過度な運動をしたり効果が保証されていない薬やサプリを飲んだりすることは、むしろ健康を害するリスクもあるため注意しましょう。
認知症の発症を予防することは、自分の人生を生涯楽しく過ごすためだけに必要なのではありません。
家族、親戚、友人、など周りの人たちの人生・時間も有意義に保つことにもつながります。
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