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更新日 2019.11.12

介護疲れしない!認知症の人の対応と介護の注意点を徹底紹介

過去の認知症介護は、「病気」として本人を見なした上での介護が中心でした。

しかし、認知症に対する理解が進んでいる現在では、病気・症状からの視点ではなく、「本人」の思いや特性からの、内面からのアプローチが重要という認識に変化しています。

ただ、認知症の人の家族や周りの人にとって、「具体的にどう介護に取り組めばいいのか?」は未だ難しい課題です。

ここでは、認知症の症状を解説しながら、本人の本当の思いを理解し、信頼を築き、正しくサポートするための介護のポイントをご紹介します。

認知症はどんな症状?

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認知症の症状は人によって様々で、明確な定義が難しいと言われます。

国際疾病分類第10版(ICD-10)では、以下のように定義されています。

通常、慢性あるいは進行性の脳疾患によって生じ、記憶、思考、見当識、理解、計算、学習、言語、判断等多数の高次脳機能の障害からなる症候群である

特に「もの忘れ」、「新しいことが覚えられない」などの記憶障害は認知症の症状として特徴的です。

またこれらの障害・症状は、アルツハイマー型やレビー小体型など、認知症の種類や程度によって現れ方が千差万別です。

参考https://www.neurology-jp.org/guidelinem/degl/sinkei_degl_2010_02.pdf

そして近年、認知症は「コミュニケーションの障害」という視点からも捉えられます。

実際、認知症介護に疲弊している家族の悩みには、「どう接していいかわからない」、「何を言っても理解してくれない」などコミュニケーションに関連するものが多いと言われます。

では次に、認知症の人との接し方やコミュニケーションを良好に築くポイントを見ていきます。

POINT

✔︎認知症は慢性又は進行性の脳疾患によって生じ、判断の高次脳機能の障害からなる症候群

✔︎認知症の特徴には、「もの忘れ」などの記憶障害がある

✔︎認知症の種類には、アルツハイマー型やレビー小体型などの種類がある

認知症の人の正しい対応と介護方法は? 

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近年、認知症は「コミュニケーションの障害」という視点からも捉えられます。

実際、認知症介護に疲弊している家族の悩みには、「どう接していいかわからない」、「何を言っても理解してくれない」などコミュニケーションに関連するものが多いと言われます。

では次に、認知症の人との接し方やコミュニケーションを良好に築くポイントを見ていきます。

信頼関係を築くために必要なポイントは、傾聴・受容・共感の3つです。

介護者には、「相手の立場に立って真摯に耳を傾け、同じように感じたり理解しようとしたりする姿勢」が求められます。

認知症の人の言動は、認知症ではない人との言動とはまったく異なるケースも少なくありません。

ですから、まっさらな気持ちで、本人の思いを理解しようとすることから始め、関係を築く意識を持つことが信頼関係構築に大切です。

当然のことですが、認知症の人にも「人としての尊厳」があります。

介護者は、認知症の人が状況にそぐわない不適切な言動をしたときに、プライドを傷つけるようなことを言ったり、頭ごなしに強く否定したりしないことが大切です。

認知症の人は、認知症になっても、本来持っていた人としてのプライドや羞恥心は維持されます。この点を理解しないまま接していると、ストレスや不安が増大し、認知症の症状が進んでしまう可能性もあります。

言葉だけでなく、アイコンタクトによるスキンシップも重要です。

アイコンタクトは、ノンバーバル・コミュニケーション(非言語コミュニケーション)の1つで、相手との信頼関係を築くためにとても重要な役割を果たします。

1979年、フランスのイヴ・ジネスト氏により考案された高齢者ケアの技法に、「ユマニチュード」があります。

基本となる4つのうち、「アイコンタクト(見る)」は重要な1つと提唱されています。

相手の目を見てコミュニケーションをとることによって、相手に興味・関心があることを示せます。

ひいては、「あなたを信頼している」というメッセージになり、不安感や疎外感を抱えがちな認知症の人に対して、安心感を与えることができるのです。

参照https://www.sagasix.jp/column/dementia/post-13

参照http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20181024/index.html

認知症の行動の対処方法

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徘徊は、「目的なくさまよっている問題行動」と思われがちですが、本人には目的があったり、不安感や孤独感などの原因から起こることが多い行動です。

ですから、「なぜ徘徊するのか?」の原因(目的)をまず理解することが大切です。

原因の例としては、誰か知人に会いにいく、昔勤めていた会社に出勤しなければならないと思っている、安心できる場所を探している、などがあります。

強引に引き止めることは避け、思いに寄り添って一緒に歩いたり、他のものに関心を向けたりしながら対応することがポイントです。

人は精神的に不安定なときに攻撃的になりやすいと言われます。

認知症の人も例外ではなく、ストレスが溜まっていたりや欲求不満なときには攻撃的な言動(相手を罵る、叩く、噛みつきなど)が増える傾向にあります。

・本人のストレスや不安の原因を探り、改善する

・緊張したりオドオドせず、毅然とした対応をとる

・その場の空気を、リラックスできるように工夫する

「何度も同じことを言う」、「何度も同じ場所に行きたがる」といった、「繰り返し」も特徴的な行動です。

脳の機能低下による記憶障害の1つで、決して、他人を困らせてやろうという悪意から起こる行動ではありません。

ですから、強く叱ったり責めたりせずに、何度も言われても「え?そうなの?」と初めて聞いたように答えたり、「それさっきも言ってたよね」などと優しく受容する姿勢を示すことが大切です。

あまりにも繰り返し同じことを言われて対処が難しいときは、自分自身がその場から離れてみることもポイントです。

これらの対処方法は特効薬ではありません。

失敗を繰り返して、試行錯誤しながら続けることが必要です。

ただ、特に配偶者など、一対一で介護せざるを得ない状況の人にとっては、「介護疲れ」により精神的に追い詰められてしまうリスクもあります。

介護疲れのリスクを回避するためには、どのような工夫ができるのでしょうか。

POINT

✔︎認知症の徘徊の対処として、強引に引き止めず、目的を理解してあげ、他のものに関心を向けてあげよう

✔︎攻撃的な言動があった場合は、本人のストレスを探り、毅然とした対応をとる

✔︎「繰り返し」の言動には、優しく受容する姿勢を示す

認知症の介護疲れをしないための工夫

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家族の中に、週に1回でもサポートしてくれる時間がある人がいれば、負担を軽減できます。

責任感が強かったり罪悪感を感じてしまいやすい人ほど、「誰にも迷惑をかけずに自分が頑張らないと」と気負ってしまいがちです。

しかし、精神的に疲弊してしまうと、介護どころか自分の生活すら困難になってしまう人も少なくないため注意が必要です。

また、介護保険サービスを活用し、家族と相談した上で、ケアマネジャーやホームヘルパーに依頼することも有効です。

排泄介助、オムツ交換、専門的なコミュニケーション、などは介護のプロに任せる方が、要介護者本人に良い効果をもたらすこともあります。

地域包括支援センター、保健センター、関連NPO、自治体、認知症専門の医療機関、といった専門機関に積極的に相談しましょう。

専門的な視点から、現在の悩みや対処法、将来の不安や計画などについてアドバイスをしてくれます。

ホームペルパーなどの在宅介護の活用とともに、デイサービスやショートステイといった介護サービスも、介護疲れを軽減するために大切です。

デイサービスでは、食事や生活支援、入浴、レクレーションのサービスがあります。

四六時中、要介護者と一緒にいることに疲弊している人は、短期の宿泊サービスであるショートステイを活用しましょう。

介護者の休息はレスパイトケアと呼ばれ、介護において重要な概念の1つです。

POINT

✔︎一人で抱え込まず、家族全体で相談。ケアマネージャーやホームヘルパーに依頼する。

✔︎認知症の専門機関に積極的に相談する。

✔︎デイサービスやショートステイなど老人ホームでの介護サービスを利用

まとめ

認知症の介護は、はじめのうちは「家族だから」と温かく見守りながら接することができる人が多いです。

しかし、介護が長期化するほど、介護する側の負担が大きくなり、身体的・精神的に疲弊してしまう人も少なくありません。

そんなとき、認知症・介護に対する正しい知識を持っていれば、本人と自分の関係を客観的に見つめ直し、落ち着いて対処できる材料になるはずです。

また、他の家族や知人、専門機関、ホームヘルパー、などに積極的に相談し、介護疲れのリスクを軽減する対処法を事前に知っておくことも大切なポイントです。