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更新日 2019.11.8

必ず押さえたい!正しい排泄介助についての方法と注意点

排泄行為は、「死ぬまで誰の世話にならずに自分で行いたい」という望みを誰しも持っています。

ただ、認知症の症状による脳機能の低下、加齢による身体機能の衰えなどにより、自立して排泄ができなくなる人が多いのが現実です。

こうした、排泄に困難を抱える人への介助が、排泄介助です。

ここでは、「排泄介助とは何か」について詳しく説明した上で、排泄障害を抱える人の心理、適切な介助(ケア)のポイント、排泄が自立に向かうことの意義、などについて解説します。

排泄介助とは

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排泄介助とは、文字通り、“排泄行為”を“介助する”支援のことです。具体的には、尿意・便意を感じてから排泄場所まで移動し、排尿・排便をし、後始末をして元の位置に戻るまでの一連の行為を指します。

これだけを見ると、排泄介助は単純な支援に感じる人も多いかもしれません。

ただ、これら一連の行為を「滞りなくスムーズに済ませればOK」という考え方は、現代の介護の視点ではありません。

つまり介助者は、排泄介助は要介助者との信頼関係を築き、自立を支援する重要な介助であることをしっかりと認識しておく必要があります。

単に「トイレに連れて行って排泄をさせて終わり」といった機械的な介助が当たり前になってしまうことは、排泄に障害を抱えている人の様々なサインを見逃してしまうリスクがあります。

詳しくは後述しますが、自分に悪気がなくても、介助者の言動により、排泄障害を抱える人の心を傷つけてしまうリスクがあることを意識しておかなければなりません。

POINT

✔︎排泄介助とは排泄を介助する支援のことである

✔︎排泄介助者は要介助者の健康状態を管理し、自立を支援する

✔︎排泄障害を傷つけるリスクがあるため信頼関係が重要になる

排泄障害の人が抱える問題点は?

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排泄は身体的にも精神的にも、人間として重要な健康管理の基本とも言える行為です。

つまり、排泄障害が起こる=健康管理が自分でできなくなる、と言い換えられます。

・不要物を体外に排出し、生理機能を一定に保つ

・排泄物の状態が、健康のバロメーターとなる

・自立して生きるための行為

排泄障害を抱えている人は、健康状態の管理が自分だけでは難しい人であり、適切な介助をしなければ重大な健康被害のリスクがあることを、しっかりと意識する必要があります。

排泄行為は人間の尊厳に深く関わる行為であるため、排泄障害を抱えた人は、心理的にもダメージを大きく受けます。

排泄障害が原因で、自分自身の生に自信をなくすだけでなく、外出を控えるようになったり、人と会うことを拒否したりする人も少なくありません

心理的影響により、社会参画から遠ざかってしまうのです。そうなると、自立からも遠ざかってしまいます。

介助する側は、そのことを十分に理解した上で介助を行う必要があります。

言葉の掛け方、声の大きさ、表情・態度などに配慮して、羞恥心や負担感をできる限り与えないよう介助することが大切です。

POINT 

✔︎排泄ができないことによって健康管理が自分でできなくなる

✔︎排泄障害は心理的にもダメージを受けやすい

排泄をケアする4つのポイントは?

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排泄介助を受ける人は、たとえ家族に対してでも、恥ずかしい、みじめ、情けない、悔しい、など様々な負の感情を抱えます。

それは、認知症の人であっても同じです。

排泄介助の際はプライバシーに配慮して、自尊心を傷つけないよう十分配慮しなければなりません。

例えば、必要以上に下半身が露出しないように衣類の着脱に配慮する、周囲に人がいる場所では大きな声で排泄にかかわる言動をしない、持ち運び便器にはカバーをして見えなくする、といった工夫が考えられます。

また、「できるだけ頼みたくないから」と排泄を我慢しがちな人には、我慢のサインを見逃さず、こちらから声をかけるなどの配慮も必要です。

介助の本来の目的は、QOL(Quality Of Life:生活の質)の向上です。

そのため排泄介助においては、自分でできる部分は自分でしてもらう、というスタンスが大切です。

すべてこちらから手を差し伸べてしまうと、本来自立してできる行動が、いつの間にかできなくなってしまうことにもなりかねません。

例えば、排泄の姿勢は立位か座位が自然な姿勢なので、可能であればこの姿勢で排泄ができるよう支援します。

和式便器なら、簡易便座などを活用するといいでしょう。

このように排泄介助の際には、「今ある機能を最大限に長く維持できること」にもしっかりと配慮する必要があります。

排泄の失敗を減らすためには、排泄の時間、間隔、回数、量などのパターンを把握しておくことがポイントです。

排泄の失敗を減らすことは、要介助者の自尊心を守り、自分自身に対する自信を失わせないために重要です。

メモなどして記録する習慣をつけておくことで、およそのタイミングを把握できるため、早めにトイレに誘導でき、失敗を防ぐことにつながります。

また、介助する側にとっても「いつ便意が来るかわからない」という精神的負担は大きいものです。

排泄のリズムを知ることで、精神的な余裕が生まれやすくなります。

要介助者は、一度排泄の失敗を経験すると、意識的に水分や食事の摂取を控えるケースがあります。

「もう失敗したくない」、「恥ずかしい姿を見られたくない」、「トイレに連れて行ってもらうのが申し訳ない」などの思いを抱えがちなためです。

そのため介助者は、1日のうちに摂取するべき水分・食事を摂っているかをチェックし、不足しているようであれば、丁寧に促すことが必要です。

水分不足をそのまま見過ごしてしまうと、便秘や脱水症状につながります。

ひいては、重大な健康被害や病気の発症にもつながるため、十分注意が必要です。

POINT

✔︎プライバシーに配慮して自尊心を傷つけないこと

✔︎自力でできることを増やし、自立を支援する

✔︎排泄のタイミングをパターン化し、排泄の失敗を減らす

✔︎水分補給をこまめにする

排泄介助の方法は?

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介助の方法は、要介助者の排泄障害の程度によっていくつか方法があります。

ここでは、トイレでの排泄と便器を使用する場合2種類の介助について、解説します。

トイレで排泄ができるためには、自分で座位の姿勢ができる必要があります。

介助者は排泄行為を見守ったり、必要な部分に手を差し伸べたりしながら、排泄の自立を支援します。

具体的な方法の手順としては、以下の流れで行います。

1.状態の確認、排泄ができる体力があるか、姿勢の保持ができるかを確認

2.要介助者にトイレに行くことを丁寧に伝える(周囲に人がいる場合は大きな声を出さないよう配慮する)

3.必要に応じて身体を支えながら立位の姿勢をとってもらう

4.ズボンや下着を膝の下まで降ろし、便座に座ってもらう

5.安定して座ったことを確認し、介助者はトイレの外に出る

6.排泄後、自分でお尻を拭けない場合、前から後ろに弾きながら拭く

7.立ち上がってもらい、下着とズボンを整える

最後は、手を洗ってもらうことも忘れないようにしましょう。

難しい場合は、介助者がおしぼりなどで拭きます。

ベッドから起き上がれない、座位の姿勢が保てない人には、便器を利用して排泄介助を行います。

具体的には、以下の手順で行います。

1.健康状態の確認、ベッド上で排泄ができる体力があるか、姿勢の保持ができるかを確認

2.便器・尿器を使用して排泄することを丁寧に説明する

3.周りに人がいる場合は、カーテンやスクリーンなどでプライバシーを保護する

4.ズボン・下着を膝下まで下げる

5.便器を局部に当てる(腰を上げられない場合の例:要介助者を反対側に向けて便器を臀部にあて、片手で便器を抑えながら仰臥位にする)

6.排便の介助をする、楽な姿勢で上体を起こして腹圧をかけやすくする

7.陰部や臀部を自分で拭けるなら拭いてもらう

8.皮膚の状態を確認する

9.便器を外して、下着・ズボンを整える

最後は、トイレ介助の場合を同じく、手を洗ってもらうか介助者がおしぼりで拭きます。

POINT

✔︎要介助者の排泄障害の程度によって介助方法が異なる

✔︎要介助者が座位の姿勢ができる場合はトイレを利用する

✔︎要介助者が寝たきりなどの場合は便器を利用する

適切な排泄方法の選び方

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一般的なトイレで排泄を行います。

身体を支えるなどのサポートをしながら、できるだけ自立して排泄ができるよう見守ります。

歩行が困難であったり短時間しか座位が保てない人の場合は、ポータブルトイレを活用します。

ポータブルトイレにも一体型やプラスチック製の椅子型など、要介助者の状態に合わせた種類があります。

ベッドの脇に置くことができるため、失敗の確率も軽減できます。

姿勢を変えられるのであれば、便器や尿器を利用します。

この場合も、できるだけ自立した排泄に近づけるよう、便器・尿器を自分で陰部に持って行けるよう見守ることも大切です。

ただし、時間をかけすぎると失敗してしまう場合もあるので、声をかけながら見守りましょう。

寝たきりの場合すぐにおむつに頼りがちですが、要介助者の中には、「おむつは絶対に使いたくない」という人もいます。

そのため本人の意思次第では、寝たきりであっても、便器や尿器を利用することが必要です。

おむつを使う場合は、吸収量や素材(紙・布)など、種類の選定にも配慮しましょう。

POINT

✔︎要介助者の排泄障害の段階に合わせる

✔︎自力でできる排泄はトイレ又はポータブルトイレを利用する

✔︎寝たきりや介助が必要な場合も自力を支援するために便器や尿器を利用する

まとめ

すべての介助の目的は、要介助者のQOL(Quality Of Life:生活の質)の向上です。

排泄介助も、もちろん例外ではありません。

可能な限り、介助が必要な人の自立をサポートできるよう、手を差し伸べる部分とそうでない部分を見極めながら介助を行うことが大切です。

また、排泄介助の際は、要介助者の心理的負担をしっかりと理解した上で接しなければなりません。

たとえ家族であっても、恥ずかしい、情けない、悔しい、といった感情を理解し寄り添うことが必要です。

そして、排泄の世話をしてもらうことに対してマイナスの感情を持たせないようにしながら、できるだけ我慢しなくてよい雰囲気づくりをしましょう。

少しでも自立して排泄ができた経験や、信頼できる介助者との関わりによって、要介助者は自信や生きる希望を持ち、生活機能の向上や積極的な社会参画につながっていきます。

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