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更新日 2019.5.28

地域包括支援センターって?利用方法や条件、相談事例などをまとめました

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体が衰えて今まさに介護が必要となっている方、親の将来を気にして介護について調べ始めた方は、「地域包括支援センター」という言葉を耳にしたことがありませんか?

地域包括支援センターは、これからの介護生活をより良いものにするために欠かせない存在ですが、どんな役割があるのか、どのように利用するのか、といったことはあまり知られていません。

今回は、介護の相談窓口として活用できる地域包括支援センターについて紹介しましょう。

地域包括支援センターの役割 

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介護について相談したいことがあり市役所の介護保険課などに足を運ぶと「地域包括支援センターでも話を聞いてみてください。」と言われることがあります。

介護が必要な状態になるとなにかと耳にする地域包括支援センターの役割とは、どういったものなのでしょうか?

地域包括支援センターについて説明する前に、「地域包括ケアシステム」の存在を知っておきましょう。

以前から日本では少子高齢化問題が叫ばれていましたが、より一層その問題が大きくなるのが2025年です。

2025年になると第一次ベビーブームで生まれた約800万人が75歳以上となります。

今以上に高齢者が増加し、医療や介護の需要が高まれば、現在の体制では高齢者の生活を支えきれなくなります。

国は介護が必要な高齢者でも最期まで自分が住み慣れた地域で生活し続けられるように「地域包括ケアシステム」を推進しています。

簡単にいえば、「地域ごとに医療・介護・予防・生活支援・住まいなど生活に必要なサービスや支援を密に連携させて、高齢者の生活を支えましょう!」という考え方です。

高齢者が住み慣れた地域で生活し続けるには、介護や医療、さまざまな支援が必要となりますが、「そもそもどうしたら介護サービスを受けられるの?」「病院代の負担が大きいけど、どうにかならないかしら…。

」といった疑問や悩みはつきません。

そんなとき、相談窓口として役に立つのが地域包括支援センターです。

地域包括支援センターには、保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーがおり、医療、介護、権利問題などさまざまな相談に対応できるようになっています。

細かく言えば地域包括支援センターの業務内容は、以下の4つがあげられます。

・総合相談支援事業

・包括的、継続的ケアマネジメント支援業務

・介護予防ケアマネメント業務

・権利擁護業務

しかし、利用する側としては生活の相談窓口として理解しておいたほうがわかりやすいでしょう。

地域で生活する高齢者が介護サービスや医療サービス、日常生活の支援などで困ったことがあれば、まずは地域包括支援センターで相談して、そこで具体的に今後どうするかという解決策や提案を受けられるのです。

主に相談窓口として機能する地域包括支援センターは、さまざまな支援を組み合わせて行う地域包括ケアシステムを支える重要な施設だといえます。

POINT

✔国は地域包括ケアシステムにより、高齢者が住み慣れた地域で生活を続けられる環境を作ろうとしている

✔高齢者が住み慣れた地域に住み続けるには、介護や医療、さまざまなサービスが欠かせない

✔地域包括支援センターは、高齢者が地域に住み続けるための相談窓口である

地域包括支援センターの利用条件と利用方法

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地域で生活を続ける高齢者やその家族にとって、地域包括支援センターは欠かせない存在となります。

そんな地域包括支援センターの利用条件利用方法を把握しておきましょう。

地域包括支援センターの利用条件は、以下の2つです。

・相談者は、生活の中で困りごとがある高齢者や高齢者を支援する方であること

・利用する地域包括支援センターが、高齢者が住んでいる地域を管轄していること

まず、地域包括支援センターは相談窓口ですから、高齢者が生活をする上で「介護サービスを利用したいけど、どうしたらいい?」「離れて暮らす親がしっかりと食事をとっていないみたい…。」「自宅にセールスが来てしつこい。」など困りごとがあるなら、高齢者自身、もしくは高齢者の生活を支える家族でも地域包括支援センターを利用できます。

地域包括支援センターは地域ごとに設置されており、管轄の地域が定められています

例えば、高齢者が「A市」に住んでいるなら、A市を管轄している地域包括支援センターを利用しなければいけないので注意しましょう。

離れて暮らす親の生活について相談したいという場合でも、あくまで親が住んでいる地域を管轄している地域包括支援センターを利用することになります。

具体的に地域包括支援センターを利用する手順を紹介しましょう。

1.困りごとの要点をまとめる

高齢者の生活には、たくさんの困りごとがあるでしょう。

まずは、地域包括支援センターで相談したいことを紙に書き出しましょう

地域包括支援センターでの相談は無料ですが、あまり余計な時間をかけてしまうのもよくありません。

中には、「困りごとの相談」ではなく、「愚痴」をだらだらと伝えてしまう方も少なくありません。

2.管轄の地域包括支援センターを調べる

ここでは「地域包括支援センター」といっていますが、実際に街中に存在する地域包括支援センターは別の名称で呼ばれていることが多いです。

高齢者が住んでいる地域を管轄している地域包括支援センターを調べるために、市町村のホームページを見てみましょう。

また、市町村の介護保険の担当窓口に電話で問い合わせると、管轄の地域包括支援センターを教えてもらえます。

3.念の為、認印を持参して地域包括支援センターへ!

地域包括支援センターで受け付けてもらえる相談内容はさまざまであり、中にはその日のうちになにかしらの対策ができるケースもあります。

もしもその場でサービスの手続きが必要となった場合、認め印を持参しておけばスムーズに話が進みます。

POINT

✔生活の中で困りごとがある高齢者やその家族であれば、居住地を管轄する地域包括支援センターが利用可能

✔子供が親の介護について相談する場合でも、親の居住地を管轄する地域包括支援センターを利用すること

✔地域包括支援センターを利用する前に、困りごとを紙に書き出しておくと良い

地域包括支援センターの相談事例

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地域包括支援センターでは、さまざまな相談に対応してもらえますが、利用を検討している方は「実際にどんな相談があるの?」と気になるかもしれません。

地域包括支援センターに寄せられる具体的な相談事例をいくつか紹介しましょう。

Aさん(76歳・女性)は、子供達が結婚して実家を離れてから1人で生活をしていました。

ひとつひとつの動作はゆっくりでありつつも、日常生活にはなんら支障がありませんでしたが、あるとき自宅で転倒して腰を強く痛めてしまいました。

病院で治療は受けたものの腰の痛みが慢性化し、生活に支障がでました。

そこで、Aさんは地域包括支援センターにことの経緯を説明し、要介護認定の申請手続きをするように勧められました。

その結果、Aさんは要介護認定を受け、訪問介護という介護保険サービスを利用することで、自宅での生活を継続できるようになりました。

Bさん(43歳・男性)は、結婚して両親とは離れて生活していました。

そんなBさんの両親は、お父さんが82歳、お母さんが75歳と高齢になっており、すでにお父さんはお母さんの介護なしでは生活できない状態になっていました。

しかし、Bさんが「介護サービスを利用したら?」と提案しても、お母さんは「大丈夫よ。」の一点張りで、自分一人で介護をお父さんの介護を続けていたのです。

ある日、久しぶりに実家に帰省したBさんは、物が散らかっている部屋や疲れて痩せた母の様子を見て、母だけの介護は限界だと感じました。

そこで、Bさんは地域包括支援センターに現状を相談し、現状を改善するための方法をいくつか提案してもらいました。

地域包括支援センターでの提案を参考に、お父さん、お母さんと時間をかけて話し合った結果、お父さんが施設へ入居する形になりました。

Cさん(42歳・女性)は、同居するお母さんが自分で歩くのが難しくなったことをきっかけに、在宅介護をはじめました。

お母さんはなんとか自宅の中は歩いて移動できますが、時間がかかってしまうためトイレに間に合わないことが多くなりました。

おむつを使うようになったのですが、付け方が悪かったせいもあり、思うようにおむつが機能してくれなかったようです。

そこで自宅のすぐ側にあり、以前から存在は知っていた地域包括支援センターへおむつの付け方について相談し、正しい付け方を教えてもらいました。

POINT

✔地域包括支援センターでは、介護保険サービスについて相談できる

✔地域包括支援センターでは、介護保険サービス以外にも生活の小さな悩みや困りごとも相談できる

✔高齢者の生活で困りごとがあれば、地域包括支援センターへ

まとめ

地域包括ケアシステムの中枢を担う地域包括支援センターは、まだまだ知名度が高くなく、積極的に利用されている方は少ないかもしれません。

しかし、難しい名称こそついていますが、その役割は簡単に言えば「相談窓口」です。

高齢になれば昔と比べて、生活の中でできないことも増えてきます。

本格的に介護サービスを利用する必要も出てきます。

しかし、いざそういった状態を目の前にしても、多くの人は経験がないのでなにをどうすれば良いのかわかりません。

そんなときは、お住まいの地域を管轄する地域包括支援センターへ、気軽に困りごとを相談しましょう。

地域包括支援センターを利用することで、今よりも過ごしやすい生活環境を整えられるはずです。