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更新日 2019.8.13

【表で解説】介護予防・総合事業の種類と特徴、利用するメリットは?

在宅で利用する介護サービスには様々な種類がありますが、その中でも介護予防と呼ばれているサービスがあります。

介護予防は、その名前の通り、これ以上要介護状態にならないという課題を解決するためのものです。

ここでは介護予防サービスの種類や特徴、利用するための費用、要介護者を対象としたサービスとの違いなどについて紹介します。

介護予防とは

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介護予防とは、要介護状態(要介護認定を受け、要介護1~5となった状態)にできる限りならないように防ぐ、またはその進行を遅らせるということです。

そして、介護予防のために介護保険制度で提供されるものが、介護予防サービスです。

大きく分けると、介護保険による保険給付としての介護予防サービスと、自治体により介護保険財政を利用する地域生活支援事業のうち介護予防のために行われる介護予防・日常生活支援総合事業によるサービスがあります。

これらの主な対象者は、要介護認定の結果、要支援1または2となった方、またはこのままだと要支援・要介護者になる可能性の高いとされる方となります。

今後も高齢者人口が増加し、介護ニーズが高まっていくため、介護予防によっていかに重度化を防止するかということが重要な課題となっています。

POINT

✔介護予防とは、要介護状態にならないためにすることです

✔介護予防サービス、介護予防・日常生活支援総合事業などがあります

✔介護予防の主な対象者は要支援者とその予備群となる方です

介護予防の種類と特徴

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介護予防の主なサービスは、介護保険から保険給付の対象となる「介護予防サービス」と、その事業所の所在地の住民を保険給付の対象とする「地域密着型予防介護サービス」、保険給付の対象としない「介護予防・生活支援サービス」(総合事業の一部)に分けて考えることができます。

介護予防サービスは、要介護者向けの居宅サービスを、要支援者向けとしたものです。

要介護者に提供するサービスと比較すると、身体的な介護という意味ではサービスが手厚くなく、予防に重点が置かれていることなどに違いがあります。

ただ、同じサービス事業所で提供していることがほとんどですので、似ているようなものと考えて良いかもしれません。

介護予防支援 居宅で介護を受ける時に必要な介護予防サービス計画(ケアプラン)の作成をします
介護予防訪問入浴介護 入浴車が訪問し、居宅で入浴をします
介護予防訪問看護 居宅に看護師が訪問して、健康チェック、療養の世話をします
介護予防訪問リハビリテーション 居宅に理学療法士や作業療法士などが訪問して、リハビリを行います
介護予防居宅療養管理指導 医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士などが訪問し、療養上の管理や指導を行います
介護予防通所リハビリテーション 施設に通い、理学療法士や作業療法士などによるリハビリを行います
介護予防短期入所生活介護 特別養護老人ホームなどの施設に短期間入所します。ショートステイとも呼ばれます
介護予防短期入所療養介護 介護老人保健施設などの施設に短期間入所します。ショートステイとも呼ばれます
介護予防特定施設入居者生活介護 有料老人ホーム、ケアハウスなどの居住施設で介護保険サービスを利用します
介護予防福祉用具貸与 居宅で利用する歩行器、スロープなどの福祉用具のレンタルです(要介護者では利用できる、車いすなどの一部用具が対象とはなりません)
特定介護予防福祉用具販売 便座、入浴補助用具など貸与になじまない福祉用具の購入時に負担軽減するものです

地域密着型予防介護サービスは、要介護者向けの地域密着型サービスのうち、要支援者にも利用できるサービスです。

地域密着型サービスのうち、3つのサービスのみ対象となり、グループホームは要支援1の方が対象とはなりません。

介護予防認知症対応型通所介護 認知症の方が対象の通所介護です(要支援2の方のみ)
介護予防小規模多機能型居宅介護 通所のサービスを中心に、利用者の希望などに応じて訪問や宿泊を組み合わせるサービスです
介護予防認知症対応型通所介護 認知症の方が少人数で生活する居住施設です。グループホームとも呼ばれます

通所介護と訪問介護に相当する介護予防サービスには、保険給付がありません。

介護予防訪問介護と介護予防通所介護は平成29年度を最後に廃止され、その後、後述の総合事業の一部として提供されることになりました。

単価の上限などは国によって定められていますが、内容や基準の多くはその地域の実状などに合わせて市町村により決められています。

利用できる方も要支援者に加え、「基本チェックリスト」によりその前段階にあると判断された方も対象となります。

訪問型サービス 訪問介護の介護予防に相当するサービスです
通所型サービス 通所介護の介護予防に相当するサービスです
その他の生活支援サービス 地域住民のボランティアによる見守り、栄養改善のための配食、訪問型・通所型に準じる生活支援サービスなどがあります
介護予防ケアマネジメント 総合事業のケアマネジメントをするサービスです
POINT

✔介護予防サービスは要介護者向けの居宅サービス事業者が提供しています

✔訪問介護と通所介護に相当するサービスは総合事業で提供されます

✔地域密着型予防介護サービスは、3サービスのみです

✔介護予防・生活支援サービスは要支援者となっていない方も利用できます

総合事業とは?

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総合事業は「介護予防・日常生活支援総合事業」と呼ばれるもので、先に説明した介護予防・生活支援サービスと、一般介護予防事業があります。

介護保険財源を利用していますが、保険給付ではなく、市町村が主体として実施する事業です。

そのため、市町村によってその実施方法やサービスの内容は様々です。

介護予防・生活支援サービスは介護保険法第115条の45第1項第1号で規定されていることから、「第1号事業」とも呼ばれます。

一般介護予防事業は、さらに対象を広くして行うもので、介護予防・生活支援サービスの対象者を把握するための介護予防把握事業、介護予防のための普及契約、介護予防のために活動を行う支援などが行われます。

POINT

✔総合事業として行う介護予防の対象者は要支援者だけではありません

✔地域の団体や.住民等も介護予防の担い手になります

利用するメリット

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介護予防を利用する最大のメリットは、やはりその目的にある通り要介護状態にならない、またそれを遅らせるということではないでしょうか。

また、保険給付ではない総合事業などは、要介護認定の手続きをせずに、基本チェックリストにより対象者を判断するため、サービスの利用までが比較的早く、容易だという点もあります。

さらに、介護サービスと比較して自由度が高いため、市町村によっては多様なサービスが行われ、住民がサービスの担い手になることも多くあります。

高齢者の日常生活を地域で支えるという意識が高まり、より地域との結びつきも強まります。

POINT

✔できるだけ健康な状態を維持し、要介護状態となることを予防します

✔対象者が幅広く、サービスの利用がしやすいです

✔地域の絆がより深まります

まとめ

介護予防はまだ要介護状態となっていない高齢者を支えるための大切なサービスです。

ただ、制度改正によって年々その内容や実施方法が変更されることも多く、分かりにくい部分もあります。

簡単にまとめると、主に要支援者に対して提供される介護予防サービスと地域密着型介護予防サービスは、どちらかというと要介護者向けの介護サービスにかなり近いものです。

一方、総合事業として提供されるサービスは、介護サービスよりも対象やその内容はその地域の実情に応じて多様に展開されています。

これらのサービスを上手に組み合わせて、地域の中でできるだけ自立した生活を続けていくことができるのが理想的ではないでしょうか。