有料老人ホームの種類を紹介!介護施設の費用やサービ内容について
「老人ホーム」という言葉は、一般にもよく知られています。
お年とともに自宅での生活が難しくなられた方が、自宅に近い環境で生活が続けられるのが老人ホームです。
ですが、一口に老人ホームと言っても、実はいろいろな種類があることをご存知でしたか?
タイプによって、提供されるサービスが異なるため、入居の対象となる方も違ってきます。
また入居に際して必要となる費用や月々の料金も異なります。
今回は、4つのタイプの老人ホームについて、それぞれのメリットを中心に違いをお伝えしていきます。
■まとめ
「老人(高齢者)を入居させ、
① 食事の提供、②介護(食事・入浴・排泄)の提供、③洗濯・掃除等の家事の供与、④ 健康管理
この1~4のいずれかのサービス(複数でも可)を提供している施設」とされています。
有料老人ホームは、住居であるだけでなく、そこでなんらかの生活の手助けが行われている施設であるということができます。
また、地方公共団体や社会福祉法人が運営する特別養護老人ホームと違って、有料老人ホームは大部分が民間で運営されています。
✔「有料老人ホーム」にはきちんとした定義がある
✔住まいの提供以外に、食事や介護、家事などが提供される
✔有料老人ホームは、民間企業の運営が多い
食事や入浴、排せつなど生活全般の介護が受けられます。
その他に、身の回りの家事なども提供されますし、看護師と嘱託医や提携医療機関との連携による健康管理が受けられます。
65歳以上で、介護保険の申請をされている方(要支援1・2または要介護1~5の方)。
施設によっては、自立して生活できる方でも受け入れ可能な場合があります
費用は、大きく分けて入居時に支払う入居一時金や敷金などと、月々の費用(食費・管理
費・介護サービス費)に分けられます。
その他医療費や嗜好品の購入費などは自己負担となります。
ある調査では、介護付き有料老人ホームに85歳・要介護3で入居した場合の入居一時金は約50万円となっています。
また月々の利用料金は22~24万円程度が平均のようです(※1)。
ただし料金には家賃が含まれているため、地域差が大きくなります。
また提供されるサービスの質や設備、人員配置などによって施設側が自由に料金の設定ができる部分もあるため、費用については施設ごとに十分ご確認ください。
生活するためになんらかの介護が必要な方にとっては、施設の職員が直接生活のお手伝いをしてもらえるという点がメリットです。
介護が必要な方が特別養護老人ホームの入居の順番を待つ間にもよく利用されます。
✔介護サービスが提供されるため、要介護状態の方でも安心
✔最期まで過ごせる施設も増えている
✔特別養護老人ホームの順番待ちでも利用できる
住宅型の有料老人ホームでは、自立した生活が送れる方の入居を想定している場合が多く、食事の提供が主なサービスとなります。
介護保険サービスが必要となった場合には、外部のサービスを利用する必要があります。
おおむね65歳以上で、生活が自立している方(介護保険サービスが必要な方は外部から提供されるサービスを利用します)。
費用は、大きく分けて入居時に支払う入居一時金や敷金などと、月々の費用(食費・管理
費)に分けられます。
その他医療費や嗜好品の購入費などは自己負担となります。
ある調査では、住宅型有料老人ホームに70歳・自立で入居した場合の入居一時金は約25万円となっています。
また月々の利用料金は12~13万円程度が平均のようです(※1)。
ただし料金には家賃が含まれているため、地域差が大きくなります。
また提供されるサービスの質や設備、人員配置などによって施設側が自由に料金の設定ができる部分もあるため、費用については施設ごとに十分ご確認ください。
主に自立された方を対象にしているため、毎日の食事やアクティビティなどをセールスポイントにしている施設が多くあります。
仲間を作って趣味にいそしむなど、アクティブに過ごすことができます。
✔住宅型有料老人ホームは介護付よりも料金が割安
✔介護が必要場場合は外部サービスを利用する
✔重度になると退去しなくてはならない場合も
健康型有料老人ホームは、今回ご紹介する4つの老人ホームの中で最も新しいタイプの有料老人ホームです。
その名の通り、自立した方が、より健康的に生活していただけるように、フィットネスやマシンを使ったパワーリハビリテーションに力を入れている施設です。
自立している方を対象としています。
要介護状態になると継続して入居できないケースが多いようです。
費用は、大きく分けて入居時に支払う入居一時金や敷金などと、月々の費用(食費・管理
費)に分けられます。
その他医療費や嗜好品の購入費などは自己負担となります。
健康型有料老人ホームはまだ全国的にも数が少なく、平均的な費用を示す指標がありません。
通常の住宅型有料老人ホームを基準に考えますと、特に設備や専門的なスタッフの配置などで割高になっているものと予想されます。
費用については施設ごとに十分ご確認ください。
今の体力や筋力をずっと維持して、健康に長生きしていきたい、という方にとってはおすすめです。
専門家の指導によるトレーニングを続けることで、より効果的に体の健康維持を目指すことができます。
✔「健康型」は新しい有料老人ホームのかたち
✔健康の維持と増進に特化したサービスを提供
✔まだまだ数が少なく、料金も高めの設定
提供されるサービスについては、特別養護老人ホームでは生活に関わる介護サービスすべてが提供されます。
これは特養が原則的に要介護3以上の方のみを受け入れしているためです。
「介護付有料老人ホーム」では同様の介護サービスが提供されます。
「住宅型」「健康型」では基本的には介護サービスは提供されませんが、外部のサービス事業者(訪問ヘルパーなど)を通してサービスが受けられます。
健康型については、要介護状態になると退去しなくてはならない場合があります。
介護サービス以外の余暇活動、機能訓練、外出などについては特別養護老人ホームでも提
供されますが、充実度では有料老人ホームに軍配が上がります(利用料金は施設ごとに異
なります)。
特別養護老人ホームは、原則的に65歳以上で要介護3以上の方でなければ入居できません(特定のご病気をされた方や、家庭の事情がある方など、例外的に入居できる場合もあります)。
一方で、有料老人ホームは、自立して生活できる健康な方から入居することができます。
いつまで入居していられるかについては、両者には大きな違いがあります。
「特養は終の棲家」という言葉もあるように、特別養護老人ホームには、高度な医療的ケアを必要としない状態であれば、亡くなるまでずっと入居していられます。
一方、有料老人ホームでは、入居対象者に条件を設けている場合があり、認知症の重度化や要介護状態の悪化、医療依存度が高くなった、などの場合には退去を求められる場合があります。
近年では、有料老人ホームでも医療機関との連携を強め「看取り対応」、「ターミナルケア」を掲げている施設が増えており、最期の時までずっと過ごせる施設もあります。
特養とその他の有料老人ホームの費用を一覧で比べてみましょう。
特別養護老人ホーム(特養) | 介護付き有料老人ホーム | 住宅型有料老人ホーム | 健康型有料老人ホーム | |
---|---|---|---|---|
入居条件 | 原則として65才以上で、要介護度3以上 | 原則として65才以上 | 原則として60才以上 | 原則として60才以上で自立している方 |
入居時に必要な費用 | なし | 平均50万円 | 平均25万円 | 住宅型+α |
月額の利用料 | 収入によって異なる | 平均23万円 | 平均12万円 | 住宅型+α |
特別養護老人ホームには、入居時の一時金などはかかりません。
月々の利用料の中に、家賃に相当する「居住費」が含まれています。
また収入の少ない方への負担軽減措置がある
ため、他の有料老人ホームと比べても格段に安い料金で利用することができます。
そのた
め、多くの待機者が出ているという現状もあります。
いずれの老人ホームにおいても、この表の金額以外に医療費や介護保険サービスの自己負担分、個人的なし好品や新聞代などの諸費用が必要となりますのでご注意ください。
✔介護が必要であれば「特別養護老人ホーム」か「介護付き有料老人ホーム」へ
✔有料老人ホームは、料金は高いが設備やサービスが充実している
✔費用の平均について。また実費でかかるお金にも注意が必要
入居される方が、どのような生活を送っているかによって、それぞれの施設の向き・不向きがあります。
お元気な方の場合は、健康型や住宅型の老人ホームで食事の支度などには手間をかけずに、趣味の継続や健康づくりに励んで楽しく暮らすのがおすすめです。
より健康寿命を伸ばすばすことが期待できます。
常時介護が必要な方の場合は、特養もしくは介護付有料老人ホームを選ばれるのがよいでしょう。
特養は一般的に順番が来るまでに期間が必要ですから、介護付有料老人ホームでその期間を待つという利用の仕方も一般的です。
✔今の生活スタイルに合わせて施設を考えよう
✔長い目で、いつまで入りたいかを考えることも大切
✔特別養護老人ホームを希望する場合は待機の期間が必要
今回は4つの老人ホームについて、それぞれのメリットについてご紹介してきました。
「これから老人ホームでどんな生活を送りたいか」によって、選ぶべき施設が変わってくることがお分かりいただけたのではないでしょうか?
また入居される施設の立地(ご家族の住まいとの距離)であったり、残りの人生をずっとその場所で過ごすのかどうかなど、先々の人生設計まで考えて選ぶことも大切です。
老人ホームのご入居をお考えの方は、まずはお住まいの地域にある老人ホームをお調べになってみてください。
その老人ホームが今回ご紹介した4つのタイプのどれに当てはまるのかもチェックしたうえで、ぜひご見学に行かれることをお勧めします。
老人ホーム選びは充実したシニアライフを送っていただくためにはとても重要です。
十分に検討されて、ふさわしい施設をお選びになってください。
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